今日からHP内でブログ始めます。事務所情報や業務などのお役立ち情報を、不定期ではありますが、更新していこうと思います。よろしくお願いします。
さて、第一回目のブログは、当事務所でも力を入れて取り組んでいる裁判手続き業務について。
司法書士を上手に利用し、費用を抑える
さて、冒頭のタイトルについてのお答えですが・・
すばり、「司法書士を上手に利用しましょう!」
です。
司法書士に依頼すれば、弁護士に比べて安価な費用で、裁判手続きできる事が多いです。
いやいや、司法書士事務所ですから、そう言うでしょうよ、と思われたみなさん!
確かに、司法書士ができる業務の一つに「裁判手続き」はありますが、どこの事務所でも(どの司法書士でも)この業務を行っているわけではないです。
全く裁判業務(特に訴訟関係)を行っていない事務所も多数あります。
では、どんな事務所に依頼すればいいのでしょうか?(そのポイントは、後ほど。)
そもそも、裁判手続きは司法書士の業務?
まず、司法書士に頼む大前提として、司法書士ができる業務の一つに、「裁判手続き業務」が含まれていることをご存じでないことも多いのではないでしょうか。
(そもそも、悲しいかな、司法書士って行政書士とどう違うの・・・と言われることも日常茶飯事であり、業務内容を把握されている一般の方は少ないです・・・)
裁判手続きは弁護士しかできない、という訳ではありません。ただし、司法書士が「訴訟」手続きの「代理」をすることについては、法務大臣の認定を受けた司法書士に限り、簡易裁判所での訴訟額140万円以下の民事訴訟に限り、「代理」できます。
一方、訴訟の代理をする以外の裁判手続き業務(書類作成等)は、書類作成業務として、金額に関係なく関わることができます。
なぜ、費用を抑えられるか?
では、なぜ費用を抑えられるのでしょうか。
通常、弁護士に依頼すると、裁判手続きは全て「代理」により行います。つまり、全て弁護士名で行為を行う=丸投げできるわけです。その分、着手金・報酬と二段階で費用がかかることがほとんどです。(手続きによっては、着手金のみであることもあります)そして、その費用も司法書士に比べて高く設定されていることが多いです。
一方、司法書士が「代理」できるのは、上記のとおり、簡易裁判所の手続きのみです。ただし、裁判所に提出する書類作成は全てできます。これは、「代理」ではなく、「書類作成代行」となります。つまり、代理しない場合は、「書類作成費」のみかかります。(事務所により、着手金、報酬と分けているところもあるようですが)
ちなみに、代理との違いは、ご依頼者様のお名前で、書類を提出することになることです。これにより、ご依頼者様に裁判所からの連絡があったり、訴訟ともなれば時には裁判所に足を運んでいただくこともございますが、多少の手間をかけてでも費用を抑えたい、自分が積極的に関わって手続きを進めたい、という方は司法書士に頼んでみてもいいでしょう。
どんな事務所なら任せてもいいか?
まず、司法書士の試験に合格して、どこかの事務所に勤めるとしても、「裁判手続き」特に、訴訟業務を積極的に行っている事務所は少ない為、充分な実務を経験する場がないのが実情です。
ということは、まったく裁判手続きの実務を経験していない司法書士も多い、ということ。
では、どのような事務所を選ぶと良いのでしょうか?
以下に挙げてみます。
・「認定司法書士」がいる事務所であること。司法書士資格のみでは「簡易裁判所の代理」ができないので、これは必須です。(ただし、認定司法書士であっても、裁判業務を行っていない司法書士は多いです。)
・司法書士本人が弁護士事務所で働いていた等の経験がある、あるいは弁護士事務所で働いていた経験がある事務員(パラリーガル)が所属している。
・10年ぐらい力をいれて裁判業務をやっている。
・元裁判所書記官だった司法書士がいる。
・・・等です。
裁判手続きは、書類の作成から、裁判所とのやりとり等、事務作業が多い為、手続きに慣れていないと非常に効率が悪く、コストパフォーマンスも悪くなってしまいます。
それゆえ、慣れた登記業務を中心としている事務所が多いのも頷けます。
ちなみに「パラリーガル」って何者?
(※この項目は、当事務所所属パラリーガルの、法律事務所勤務時代の経験談をもとに、まとめています)
では、上記にも登場した「パラリーガル」とは何者でしょうか?
主に法律(弁護士)事務所で、訴訟を中心とした裁判業務全般の事務手続きを専門に行う、法律の専門事務職のことです。
といっても、特に資格者でもないでしょ??と思われるでしょう。
この点、日本弁護士連合会(日弁連)は、事務職員に対する研修もしっかりと行っています。
日弁連は年に一回、全国統一の事務職員能力認定試験という試験を実施しています。この試験を受ける為には、まず弁護士が所属する法律事務所に勤務していることが前提で、そのうえで全国統一の研修を受けます。(年に10回程度)また、名古屋でも(愛知県弁護士会主催の)研修が定期的に行われています。
日常業務の例としては、
・訴訟(簡裁~高裁)申立の書類作成や事務手続き、答弁書・公示送達等上申書・証拠説明書等の書類作成。これらに伴う裁判所とのやりとり。
・破産・強制執行・保全手続き・後見手続きの書類作成。(特にこれらは事務手続きがメインなので、事務職員は慣れている。)
・戸籍や住民票の取得。登記簿謄本の取得。これらは、まず事務員が行う。
などなど。 訴訟や裁判手続きに精通しており、弁護士事務所に事務員は必須なんですよ。
どうやって確認するか
では、どのようにして、司法書士事務所を探せばいいのでしょうか。
あくまでも私の個人的意見ですが・・・
・ホームページを確認してみる。→積極的に裁判業務を行っていなければ、詳しくは書かないでしょう。
(そもそもホームページのない事務所も多いです。)
・簡裁代理権を持てる認定司法書士の制度は平成15年にできたものです。ご高齢の司法書士は、そもそもこの認定を取ってない、もしくは取っても仕事としてはやっていないことも多いです。(逆に、平成15年以降の司法書士合格者は、合格後の研修後、そのまま認定の研修も受けて試験を受けることがほとんどです)
・得意分野としている裁判業務があるかどうか。これもホームページで確認するぐらいしかありませんが・・
・直接、司法書士事務所に問い合わせてみる。→結局、これが一番確実かもしれません。訴訟など、裁判手続きの相談は、込み入った話をすることが多いですので、司法書士との相性、どういう人なら信頼できそうか、まずは話をしてみることが大事です。ホームページのプロフィールなどを見るのもいいですね。
まずは、自分の問題をる解決してくれる人、これは当然ですが、あとは、なんといっても親身になって、最初から最後まできちんと対応してもらえそうな司法書士だな、という判断をご自分のものさしで決めていただくことです。
なお、訴訟に関しては、司法書士に頼みやすい訴訟と、そうでない訴訟があります。(つまり、最初から弁護士に依頼したほうが良い訴訟もあります)それについては、また別の機会にしたいと思います。